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鬼降る森
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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神話とは何か
著者はもはや、この心の故郷に地の者として帰ることはできないであろう。
観光ブームによる天孫降臨伝説の観光地として成り立っている現実の村と、
著者の記憶にある昔の村との乖離は大きい。
今日、夜ごとに繰り広げられる鬼達の狂乱の踊りとは、観光客達のお金が
観光資本として村に投下されるための受け皿に成り下がってしまった。
かつて神聖な祭も、今や旅人たちへ走馬灯のごとき一瞬の悦楽を提供する
ショーへと変化を遂げた。過去は変えることが出来ないが、現在もしかり。
神楽の行われる神社の外には客用マイクロバスの群れがまっている。
それでもかつて神話はあったんだ、と旅人だった自分は信じたい。
なぜなら、「高千穂峡谷」や「おがたまの木」は未だ神話性を遺しているからだ。
森の息遣い
作者のもつ故郷への愛と執念がうかがえる、高千穂風土記。 思い入れが強いだけに少し偏っているように見えるかもしれませんが、これだけの想いを持つことのほうが大切でしょう。 失われてしまった土着文化と人々の息遣いを、少しでも取り戻すことができるのが本著ではないでしょうか。九州の森奥深くに生まれ、消されていった神話、鬼、唄。とても興味深いです。ワクワクしながら読みました。 また、アスファルトに飲み込まれた故郷を持つものにとっては胸が痛くなるほど共感できる部分が多くあります。読み終わった後、故郷に飛んで帰りたくなります。 物を書くことを生業としている方が自らの故郷についてこういった本を出されるのは、とても意義深いことだと思います。
時の流れていない・・
著者と同時代に、同じ町で過ごした私にとって、高千穂はこの本の中と同じ景色で今も在る。都会に暮らして20数年経つが、あの町で育った様な種類の人に出会ったことがない・・・腹が立つのを忘れるほど自由で、人が生きて死んでゆく事を自然に識っている人達。伝説の解釈は様々だが、生きている人達を見れば『根』から どう『枝』が伸びていくのかで理解できる。 実は・・後生に残そう等と言う事も望んでいない『伝説』を現実として生きている町が・・在る。
心地よい陶酔が味わえる
作者の故郷をめぐる体験と考察。 夢のような神話と土地の民の願望を絡み合わせる作者の思考は巧妙だが 一抹の胡散臭さが漂う。都合よく解釈しすぎではないのか? 高千穂が完璧な理想郷として存在しすぎているし、負の歴史に飲み込まれていった者達への労わりが自分本位であると感じた。しかし外部の者が何と言ったところで、その土地を愛する作者の気持ちに割り込むことは出来まい。 夢物語としての出来は良く、陶酔して読むことができた。
「帰りたい」
「帰りたい」この言葉は、作者が本書の帯に書いている、数行の文章の最後に書かれている言葉です。 読み進むうちによく作者の気持ちが判るようになりました。 故郷(宮崎県高千穂町)を愛する気持ちが文面から伝わってきます。 内容にしても、単なる天孫降臨伝説の読み解きではなく、その裏にある征服された土着の人々の生活を丁寧に描いてあり、興味深いものでした。
幻戯書房
火花―北条民雄の生涯 (角川文庫) エレクトラ―中上健次の生涯 水平記〈上〉―松本治一郎と部落解放運動の一〇〇年 (新潮文庫) 水平記〈下〉―松本治一郎と部落解放運動の一〇〇年 (新潮文庫) 運命(アクシデント)
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