鬼の持つネットワーク。
光の中から闇を見ようとすればよく見えないが、闇の中からなら光がよく見える。という概念から始まる、というよりコンセプトか。“鬼”は敗者、中央から見た敵対者──反逆者、そしてその末裔ら。 中央権力が確立してきたのは本当にここ数百年にすぎないのに我々は、それ以前の日本がまるでひとつの勢力しかなかったように考えがちになってしまう、敵対者をただ横道と考えるならば歴史は色彩を失い無味乾燥になってしまう。 力あるが故に駆逐され、そしてその子孫である鬼たちは人々から嫌われ、またはその特殊な力によって恐れられ。だがその力が時に権力者と結びつき、権力者を操りさえすることになる。 宗教と俗人の間で葬式などの神事を取り扱うのが聖(ひじり)と呼ばれるのだそうだが、鬼は聖でもあり邪でもある、弱者であるから強者ともなりうる。だが光──中央勢力が正義ではないし、闇──鬼が悪だったりするわけではない。 ふたりの対談によって話は行きつ戻りつ進むが、ただ時代の中にある闇に属する者らの振る舞いを、歪めることなくどこか楽しげに次々にと触れていく書と思う。
光文社
神になった人びと (知恵の森文庫) 日本魔界案内―とびきりの「聖地・異界」を巡る (知恵の森文庫) 異人論―民族社会の心性 (ちくま学芸文庫) 鬼の研究 (ちくま文庫) 鬼の日本史 上―福は内、鬼は外 (1)
|