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騎馬民族国家―日本古代史へのアプローチ (中公新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 225252 位
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古代のロマンは問題意識!
江上波夫教授の名高い「騎馬民族征服王朝説」を、一般向け新書としてコンパクトにまとめたものです。 日本古代史上の諸々の歴史的な制度・慣習、たとえば「臣」と「連」の関係、渡来人の大量受け入れ、古代皇室における姉妹婚や女帝制度など、今日的な観点から違和感を覚える向きがあるにしても、我々は所与の歴史的な事実として当たり前に受け入れてしまっています。しかしながら、これを周辺諸民族との比較という視点から見つめ直すことにより、日本国家の起源や大和民族のアイデンティティにつき、新しいイメージがハッキリと浮かび上がってきます。いわゆる「古代のロマン」を探求するにも、やはり問題意識の持ち方というのが大事なのでしょうね。 初版が刊行されたのは40年近く前という古い本でもあり、この学説への受容度も相当深まっているようですが、今読んでみても、主張のオリジナリティの高さや構想規模の壮大さには極めて新鮮なものを感じました。主張内容の妥当性についてはよく分かりませんが、少なくとも、読んでいて知的好奇心を大いに刺激され、ワクワクする思いで楽しめました。歴史愛好家にとっては、読んでみて損はない一冊だと思います。
ともかくスケールの大きさに圧倒される
騎馬民族征服説が提出されて半世紀近くがたつ。その間、反論も様々に だされた。考古学からも副葬様態の変容は比較的長いスパンに渡り、 征服を裏付けるような短期間の急激な変容はみられない、とする主張も なされ、主流となっているようにみえる。 賛否はともかく、この説ほど戦後だされた古代史の学説の中でスケールの 大きさを誇るものはないことは、誰もが認めるところだろう。 扱う領域が専門化・精緻化し、マニアックな議論に終始している一方で 一般人からみればワクワクするような思いをすることも少くなった。 歴史や考古学を、何かただ史料を重箱をツツくように読んだり、土中を掘り 起したりするだけのように思っている、中・高校生に是非読んで欲しい。 壮大な「謎」のピースが、ひとつまたひとつとはまっていくときの興奮を この本は与えてくれるでしょう。
学問的以上に政治的・社会的衝撃を与えた学説
アマテラスオオミカミが皇孫ニニギノミコトに「葦原の瑞穂の国はわが子孫が王たる国である。お前が天降り治めよ。栄えること天地とともに極まりない。」と勅したとの日本書紀の記述が皇孫の子孫たる天皇家が日本を治める神道的根拠である。敗戦後この神話に衝撃を与えたのが天皇家が大陸の騎馬民族の一流であり朝鮮半島から渡来し、日本を征服したという江上氏の「騎馬民族征服王朝説」である。現在では氏の論法に矛盾が散見され、学説自体の見直しが必要というのが学界の一致した意見である。しかしキリスト教信仰を揺るがしたダーウィンの進化論の如く、古来から天皇の権威により統治されてきた日本人にとって、学問的なものよりも、政治的・社会的な衝撃の方が大きいはずである。吉田敦彦氏の「日本神話インド・ヨーロッパ語族起源説」水野祐氏の「王朝交代説」と共に、戦後の古代史研究に圧倒的な影響を与えた氏の学説は、今後も賛否両論、論争の種であり続けるだろう。
中央公論社
騎馬民族は来なかった (NHKブックス) 騎馬民族は来た!?来ない?! 大和朝廷―古代王権の成立 (講談社学術文庫) 記紀の考古学 (朝日文庫) 古墳とヤマト政権―古代国家はいかに形成されたか (文春新書 (036))
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